新宿・新大久保おかあさん

40になるまでスーツというものを着る仕事をしていなかったせいなのかどうか、この仕事でスーツを着る様になってからというものきちんとスーツにネクタイを着けることが非常に好きになりました。良く言うのですがこの仕事は空調の効いた事務所で椅子に座っているだけのボンクラ仕事ですので多少は己を締め付けるための「何か」が無いとすぐ甘えてしまう、ましてや私は根がとことんあまちゃん体質にできているもんで「型」くらいはちゃんとしておかないとすぐにダメ人間になり果て仕事もロクにできず炊き出しモードになるのではと自分自身に言い聞かせて今年までずっとやってきました。

しかしついに今年からウチも全事務所クールビズを導入。代謝の良い若いスタッフも増えたし、さらにまだ5月だというのに「暑い、暑い」とエアコンを19度にするような発熱体質のスタッフを見ているウチに「ま、仕方ないかな」とネクタイ無しでもOKとしました。これでエアコンの温度設定が数度でもアップすれば経費も浮くし地球温暖化への暴走に対して屁のつっぱりくらいにはなってくれれば導入した甲斐も1ミリくらいはあったというものです。

空手を教えている友人が先日へべれけ寸前で言っていました。「日本人は様式美を大事にする民族だ」と。
武道全般は言わずもがな華道に茶道など型から入ることにより段々と精神も鍛えられその精神が今度は無駄のない型を通して美しく昇華する。そう考えるとスーツを着てちゃんと姿勢を正す、ということから自然とスタッフの動きは程よい緊張感を常にまとった仕事をする男として美しく映るのではないか、と思います。もちろん見てくれだけでなく内面にも姿勢を宿わせないと意味がありませんが。

良くおかあさん達にドアノブの回し方まで言うのですが、そんなところから自然と姿勢が柔らかくなり人にどう見られているか思われているかを意識し始めることで少しでも男性の前での接客に女性らしさがにじみ出てくれれば、と願いながら未だに女性から「は？」という顔をされても諦めずに言い続けています。