新宿・新大久保おかあさん

2010年春、半年近く在籍しているある女性から
「仕事終わって事務所に帰ってきて、スタッフが何か食べながら仕事しているのを見せられるとやっぱり気分が良いものじゃない」
ということを言われたことがある。

どんな仕事でもあることだろうが、特にこの仕事では決まった時間に「じゃ、休憩行きます」と言って現場を離れることがいつも出来るワケもない。下手したら一日何も食べる時間が取れなかった、ということも良くある。今では各事務所は人員が揃っているのである程度交代で休憩が取れているようだが、最初の頃は一人か二人しか居なかったので、どうしても電話取りながら弁当を食べたりすることもあり、先ほどの女性の言葉が出たのだ。

女性たちも、スタッフが電話から離れられずどうしても何かを食べたりするのは仕方ない、という気持ちも解ってくれているのだろうが、暑い中寒い中走り回って、お客様と二人きりで気を遣いながら大変な思いで仕事をしてやっと帰って来た時、空調の効いた部屋で椅子に座って、たとえ仕事しながらとはいえ口モグモグさせながら「お疲れ様」と言われても、そこはやっぱりイラっとくるのが人間というものだろう。

それ以来、必ず食事は別の部屋、もしくは外で食べるように自分自身も含めスタッフも徹底することにした。飲み物のみOKだが、神聖な職場においてはできるだけ仕事に関するもの以外は置かない（ごく当たり前のことだが）ということにした。

じつはそのこと以外にも沢山のことを女性の言葉から学んで事務所に活かしてきている。どうしてもソレは難しい、ということ以外は、どんな細かなことでもそれが当たり前になるようにジワジワと積み重ねてきたつもり。出勤集めもパッドで聞き取りをしデータ送信するというシステムも導入直前まで行ったことがあるが、いろんな理由で今でも2週間先までプリントした手書きの出勤表を使って出勤集めをしている。ミスを減らすためにもっと便利なシステムを導入することはいくらでも出来るのだが、いくらミスが起きようがこの仕事の本質を見失わない為にも残して行こうと思っている。

先の「仕事机で食事をしない」という規則を作ってからしばらくして、私が休みの日に朝から音楽流しながら朝飯食べて仕事をしていたスタッフがいたので厳重注意したらその日に辞めたいと言ってきて、その月いっぱいで実際に辞めてしまった。今ではどの事務所にもそんなスタッフは居ないハズだ。

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