一昨日は早朝から深夜まで動き続けたせいかどうか昨日は全く身体が動かなかった。本当は予定もあったのだが急遽キャンセルし一日中横になっていた。
で。夕方やっと起き上がりシャワーを浴びると気怠さも完全に抜けて急にエンジンが温まってきた。
となると行くところは酒場しかない。気分はいつものバーでなくちょっと気分を変えたいと思い東口の「
SORA」へと向かった。
このバーは6年前にオアシスのマスターに紹介されてM井さんと一度だけ来たことがある。実は6年前に来たときはそんなに印象が良くなかったので足が遠のいていたのだ。もっと騒々しくて(フレディの女装姿のPVが流れていたせいもあるかも)落ち着いて酒の味と空間を楽しめる印象が無かったのだ。が、昨日行ってみて素晴らしい雰囲気のお店だということが解った。程よく薄暗い店内にまっすぐに貼られたフライヤーやアナログジャケ、磨きあげられたボトルにグラス。さりげなくスポットが当てられているスコッチの樽にマスターの主張を感じる。
とりあえず1杯目はバーボンのソーダ割りを頼んで静かに飲んだ。坊主頭に黒縁メガネのマスターは普段着なのだがまるで正装しているかのように姿勢よく程よい笑顔でカウンターに立っている。壁に貼られたアナログのジャケをゆっくり眺めていると「ウチは音楽好きな方のためのバーですので何でもかけてほしいのがあったら仰ってください」とのこと。マナサスがかかっていたのだが女性ボーカルが聴きたかったのでマリーナショウを頼んだ。
3曲目あたりで2杯目にロックを頼んだ。5曲目になった頃マスターが「先日○○でお会いしましたよね」と声をかけてきた。実は私は解っていたのだけど敢えて黙っていたのだ。あの時は共にかなり泥酔していたし私は今日は普段着だ。まず解らないだろうと思っていたが流石だと思った。聞けばマスターはもとホテルマンだという。ホテルのフロントもバーのカウンターもお客様の顔や特徴を一度で覚えるのは絶対に必要なのだとのこと。毎日お客様をカウンター越しに見ていると自然とその人の顔かたちだけでなく纏っている空気とその内面まで想像しながら見るようにしているそうだ。なので同じ容貌と同じストーリーを持つお客様はほとんどないので思い出せるとのこと。
私の仕事のフロントも実は出来るだけそう思って電話を取るようにしている。声のトーンや言葉遣い、待ち合わせの時の服装などからどんな方がどんな思いで来られたのだろうか?といつも電話越しに思いながら受話器を握っていると自然とこちらの言葉もお客様に寄り添う丸みを帯びてくると思っている。女性が接客から帰って来たときはプレイがどうこうだけでなく「どんな気持ちで来られたと思いますか?」と最近は聞いてみることにしている。とっても抽象的で女性からすれば答えにくい質問なのだがそのうちに一人でも接客中にもっとお客様の気持ちを考えてみようと思ってくれれば多分その女性の接客姿勢ももっと優しくなるハズだと思う。
SORAは結局3杯飲んでお店を出た。今度はリッキーをかけてもらおう。