今夜は新宿の新人社員オオツカさんと入社以来初めて2人共通のホームバーであるオアシスで一緒に飲んだ。
明日彼は入社して初めての公休日なのだ。
この業界に入る男性スタッフは大別すると2つに別れる。
今ある安定した仕事をかなぐり捨ててステップアップ(これは社会的な評価の意味ではなくシビアに収入面だけの話で)を目指して飛び込む人とどうしょうもなくて飛び込む人と。
彼は前者。前職で自分が積み重ねてきた実績と評価で間違いなく今の生活は保てるハズなのにそれをすべて捨てて入ってきたのだ。最近肩書を引退した某総監督もそのパターン。現状での自分の収入を○倍にするには、と考えて業界に飛び込んできた。実際彼はすでにその最低目標に到達してはいるがまだまだ先を考えている。私はというと…完全に後者。とにかく仕事があれば良い、というすがる思いで入ったのでまだまだこれからだと思っている。
別にどちらの入り口から入っても良いのではと今では思う。共通点は今の自分の生活・仕事を前に進める為。その思いが強ければ強いほどこの仕事をしていると結果にヴィヴィッドに現れる。これは自分だけの為と思っていては決してうまく行かない。とことん謙虚にひたすらお客様と女性のことを考えて考えて考え続けなければ結果は出ない。ちょっと結果が出たような気がしてもそこで調子に乗っているとすぐに足元をすくわれてしまう。
そこそこ長い期間この仕事をしていると働いていただいている女性たちにも同じことが言えることが見えてくる。売りどころが初めからあって新人期間にしっかり稼げていてもその間の仕事の濃度と意識の持ち方次第で半年後にはお茶づけになっているか、それとも5年間ずっとランカーでいられるかが分かれる。その分岐点は多分入店した直後の仕事意識の持ち方の角度で決まると思うので最初にしっかりとその辺りの意識の持ち方はお話させていただいている。
しかし。その多数の在籍女性を常に見続けなければならないスタッフにその意識が根付いていないといくら女性が姿勢を正そうとも意味が無い。この業界のスタッフには結構すぐ調子に乗ってしまってふんぞり返る人が多いのも良く知っているので私はスタッフには自信を持ってもよいけどその真逆の役職関係なくみんな常に謙虚に感謝の気持ちを持って下さい、とずっと指導しているつもり。もちろんそれには私自信が誰よりもその気持ちをもたなくてはならないことも痛感した上での話だ。
今日入社1週間のオオツカさんをオアシスで見ていて思ったのだ。私もちょうど6年前はまさにこうだった。不安だらけな自分を未経験の仕事に対する実感の無い期待とひたすら自分のやる気だけでなんとか押し込めて紛らすために毎晩毎晩MさんAさんと3人このバーで味の分からなくった酒を流し込みまた次の朝には事務所でポリスの「Message in a bottle」流しながらハイになって仕事をひたすら続けていたことを。
この曲の歌詞のように「A hundred billion」の人たちが孤独のメッセージを送っているのが当たり前。自分だけが大変なのだと思っていたら明日は無いのだと今でも思う。