新宿・新大久保おかあさん

　前回のブログで「バカになる」と書いたのだが、時にはやっぱりキツい時もある。私もテンチョになったばかりの頃は良く朝っぱらから事務所で女性に怒鳴ることもあった。

　こう書いてみると何だかヒドいテンチョだったように感じるが。。実際ヒドいテンチョだったかも知れない。しかし怒鳴るほど怒った時の原因は、ほぼお店の基本的な運営に理解を示さない態度や言動があった時だけ。女性に対して怒鳴る、ということは、本当の自分からすれば絶対にしたくないことの上位にあるのだが、仕事場での自分は別の「テンチョ」という人格を持っていたように思う。

　仕事場で別の自分を作る、というのはスタッフにとっても大事なことだ。お互いの人間性の部分をいつもそのままぶつけていては仕事にならない。仕事の為には、多少は理不尽なことも飲みこみつつ女性と接しなくてはならないことも多いし、スタッフ側だけでなく、女性たちも少なからず同じような思いを店に対して持ちながらも仕事に来ていると思っている。

　以前、私の勘違いというか思い込みである女性に（怒鳴ってはいないが）ちょっとキツめに注意したことがあった。その女性が清算して帰ってしまった後に私の勘違いだったと気付き、次の出勤の時は事務所の玄関に入ってきた即座に謝罪した。が、その女性はまったくムッとした態度もせず「いえいえ、私も勘違いされるようなことがあったかもしれません。すみません」と逆に謝って来られて恐縮した。その女性が何故ファンのお客様が多いのか、も納得できた。

　多分、テンチョ時代に怒鳴って辞めた女性はいなかった（私の思い込み、だと当時怒鳴られた女性たちは思っているだろうが）
むしろ優しく対応していた女性の方が辞めてしまう率が高かった。

　今では女性にもスタッフにも大声で怒る様なことは一切無くなった。良い事なのか、それとも甘くなったのか。今まで出会った女性やスタッフたちが、瞬間湯沸かし器のようにすぐ怒っていたボンクラテンチョをしっかり揉んでくれたお蔭だと思っている。

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