私は母の体温をほとんど知らない。
産んでくれた母は生後3か月でいなくなり、その後父が再婚するまでは父の実家で祖母に育てられた。3歳の時に父が再婚し今の母に育てられることになるのだが抱きしめられた記憶は皆無だ。
いきなり超私的な事を書いているが、これは私がこの仕事をしていて一番大事に考えている、女性の「体温」ということに直結していることなので勘弁してもらおう。男性なら誰でも女性と肌を合わせれば性的興奮を感じるものだが、子供の頃におかあさんに抱いてもらった時に感じるであろう安心感と抱擁感も(肌を合わせる女性によって差はあるのだろうが)感じるハズだ、と思いこんで「おかあさん」の運営を続けてきている理由は、元をただせば自分自身の欠落した感情にある。要は私は仕事においても母の温もりをずっと追い求めているのだ。
おかあさんに面接に来て下さった女性から「私、子供がいないんですがおかあさんでも働けるでしょうか」と質問されることがある。実際に子供を育てた経験のある女性の方が「おかあさん」らしさを持っているのは事実だが、子供が欲しくても機会に恵まれなかった女性でも母性というものは確実に持っているハズ。欲しくても得られなかった女性だからこそ、求める気持ちの強さはそのまま母性の強さに比例するのではないだろうか。
家族というものの温かさを知らずに結婚した人が自然と温かい家庭を求めるように、追い求めても得られなかった自分自身の気持ちをハンディと思わず、少しでも活かすことができるこの仕事に就けたことに関しては、どうしょうもないボンクラだった父に今では感謝するしかない気持ち。
正月早々ちょっと重苦しい内容で恐縮だが。。今日はこんな感じで。
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