新宿・新大久保おかあさん

おかあさんグループが待機での無料生活相談会「風テラス」に参加してはや半年が経った。1月に行われた第3回目から参加させてもらったのだが、最初は相談を受ける先生方の数より取材の方の人数が多いのに驚いたものだ。

その後、先日行われた8回目まで今のところ6回参加しているが、毎回気になっているのは、この見知らぬ人の多い雰囲気の中で、相談に来た女性が本当にちゃんと話をしてくれるだろうか、ということだ。もちろん、相談時は別室で先生と本人だけになるのだが（時にソーシャルワーカーの方が一緒に傍聴されることもある）入口にいる取材陣に気圧されてしまった方も少なからずいたかもしれない。

と、ここまで書いたが、別に取材の方が来られることを全否定しているわけではない。ほとんどの方は非常に気を使ってくださり、決して無理な取材をすることも無い。風テラス発起人の坂爪さんは、取材を受けるメディアを事前にちゃんと選んで受けてくださっているし、先生方も女性から相談を受けるべき空気を一番に考え、時には踏み越えすぎた取材の人を追い出してくださってもいる。（ま、当たり前だが…）

社会的に認知されることで、この取り組みがいつしか業界全体に拡がり、この仕事に従事している女性たちの手助けに少しでもなれれば、と坂爪さんは使命を持って自分の仕事をしているワケだし、協力してくださる先生方もそれぞれプロとして自分の仕事をして下さっている。取材をする方たちも記事や番組をつくるプロとして、自分の仕事の為に取材に来られているワケだ。

自分の仕事をする、という意味ではみなさん同じなのだが、そこに在籍女性という対象があるが故、私は私の仕事の為に女性を守らなくてはならない。抱えている悩みや問題が軽減（理想は解決だがそうそういつも簡単ではない）出来れば、少しは元気に仕事が出来て稼げるようになるのでは、という期待を持って参加したこの風テラスが、逆に女性に不安を感じさせるような場になってしまっては意味が無い。

ならば取材なんて受けなければ良いのでは、と最初思ったりもしたのだが、中にはホントに真摯に取材をしてくださっている記者の方にお会いしたりすると、自分の狭量に疑問符を浮かべることもあるのだ。

この社会の中で何かを変えるなんてそう簡単なことではないが、誰かが何かの活動を始めるか声を上げることによって、それがさらに多くの人たちの共感を得られ、大きな波となって社会が変わることはあるだろう。時に危険な波が起きてしまう可能性もあるが、少なくとも風テラスの活動においてはその類ではないと確信している。そんな風に考えて私は今まで取材を受けてきている。

6日の夕方、風テラスのことが某国営放送の夕方の番組の1コーナーで取り上げられる。若いOディレクターは、2月に初めて池袋の待機に取材に来られた時、ハンディカメラを持って女性にインタビューしながら涙を流していた。その後、何度もコンタクトを取ってくださり、どのような形で取材を進めればよいのか、一体何をどう伝えればよいのか、をいつも話し合ってくださった。

一度はお蔵入りになりそうだったが「やっと放送できることになりました」と前回の風テラス直前に連絡をもらった。風テラスにかかわっているみなさん（私も含め）はまだまだ暗中模索の段階だ。そんな中で、安易な気持ちでなくひたむきに向き合い続けてくださった方の仕事がひとつ形になった、というのは素直に嬉しく思うのだ。

私は私の仕事のスタンスでこの風テラスに参加し続けていこうと思う。今月中には今まで相談が無かった五反田や西川口の待機に、次回告知のチラシを貼りにいくつもり。無理に女性の手を引くつもりもないし、形だけの為に相談者のアタマ数をそろえようとも思っていない。必要とされている方がもしもおられたら、気軽に来て使っていただきたいだけだ。

ということで今日はこんな感じ。


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